みんな違ってみんないい?ピアノを弾く時の姿勢
ピアノを弾く時の姿勢について改めて考えてみた。
ヴァイオリニストの友人と楽器の持ち方や演奏時の姿勢などについて話した。
ヴァイオリンは楽器を左肩に置いて演奏する。
日常生活には無い、極めて不自然な体制である。
だからこそ日々身体の軸を整えたりと日頃の姿勢も重要になってくるらしい。
それではピアノはどうか。
ピアノの場合座って弾くことが前提だ。
それなら他の楽器よりも、ピアノを弾く時の姿勢の方が整えやすいかというと、そうでもない。
ピアノは個体によって違いが著しい。
そして、一口にピアノと言っても、アップライトやグランドピアノなど形が違う場合もあるし、型が同じであってもブランドや年代などによってもまた違う。違いがあり過ぎる。
まず本体の大きさも違うし、床から鍵盤の高さも、鍵盤の柔らかさやダンパーの反応も違う。譜面台の具合も、床からペダルの高さも違う。
そして、ピアニストは大抵ホールなどの演奏先が所有している楽器を使用しなければならない。
つまり、いつも練習しているピアノで弾きやすい姿勢を見つけられたとしても、現場のピアノでそれを完全に再現することは難しい。
だからこそ、ピアノを弾く時に自分の身体はどうなっているかを普段から意識しておくことが重要だと思う。
どこでどんなピアノを弾こうとも、自分にとって居心地の”良い感じ”を知っておけば多少なりともそれに近づけることができるのではないだろうか。
私の考える“良い”姿勢
それでは理想的なピアノを弾く時の姿勢を探し出すにはどうしたら良いのだろうか。
私が最も注目しているのは、「いかに脱力できるか・いかに無理がないか」
今のところの私の定義は、
- 肘が曲がりすぎない。/伸び過ぎない
- 身体が鍵盤に近過ぎない
- 骨盤が立てやすい
- 上半身が自由である
- 膝や股関節が窮屈ではない
- 安定感はあるが、どっしりし過ぎない座り方
とは言うものの、これは基本的なピアノを弾く時の姿勢であって、全てに当てはまるわけでは無いと考えている。
つまり、曲によっても変わってくるのではないかと感じるのだ。
例えば私の場合は伴奏や室内楽作品を演奏することが多いのだが、モーツァルトのソナタを弾く時と、ブラームスのソナタを弾く時とでは、弾きやすいと感じる椅子の高さが違う。
おそらくそれは椅子の高さによって骨盤の向きや腕の角度が変わるからだろう。
ピアノを弾く時の姿勢とバランスボール
ウィーンの練習室を使用した際、部屋の中にバランスボールがあった。
当時の私はあまりに無知で、これは何のために置いてあるのだろうと不思議に思っていた。
今なら“さすが音楽の都ウィーンだ!”と感動するだろう。
それはバランスをとりながら弾く練習したり、ピアノを弾く時の姿勢を調整したりするために使われるらしい。椅子とは違い不安定なボールに腰掛けての練習は、身体の軸が意識しやすいだろう。重心の動きも感じやすいはずだ。
やはりピアノを弾く時の姿勢は重要視されているのだ。
それを知ってから日本でバランスボールを購入したことがあるのだが、サイズが合わずに残念な結果となった。
最近、今度はサイズを慎重に選んでもう一度挑戦しようかと考えている。
ピアノを弾く時の姿勢:まっすぐが良いとは限らない?
独特な姿勢で素晴らしい演奏をするピアニストはたくさんいる。その代表といえばグレングールドだろうか。
彼はピアノを弾く時の姿勢も、演奏スタイルも独特であり、今もファンを魅了し続けている。
もちろん彼の魅力はそのオリジナリティと確かな技術だろうが、あの独特な演奏は人々に強い印象を与えている。
彼だけではない。
“この姿勢でどうやってこんな音を出してるんだろう”と不思議に思う奏者はたくさんいる。
と、ここで思うのである。
結局は、その人にとって最も居心地の良い姿勢というのがあり、それはその人本人にしかわからないということ。
だからこそ、自分の身体に聞くのだ。
動きやすいですか?
居心地良いですか?
もう少し浅く腰掛けた方がいいですか?
自分の身体とつながる
今まで私は椅子を限界まで低くしてみたり高くしてみたり、すごく浅く腰掛けてみたり、できるだけ鍵盤から身体を話してみたり、色々挑戦してきた。
なんとなく自分にとっての弾きやすい姿勢の傾向がわかって来たが、今でもまだ調整し続けている。
私がレッスンで子どもを教える時も、ピアノを弾く時の姿勢は重要視している。
高さ・距離・肩はリラックスできているか・腕に余計な力が入ってないか。
斜めになっていないか。
座り心地はどうか。
最初は私がよくよく注意してみる。
そして何度かレッスンに通ってくれたあとは、生徒達本人にも質問している。
“曲がってない?斜めになってない?気持ち悪く無い?リラックスできてる?肩はどう?腕の感じはどう?”
質問されれば考える。
感じようとする。
これって、自分の身体の声を聞き”自分とつながる”練習にもなるのではないかということに最近気がついて、なんとも嬉しい。
ピアノを弾く時の姿勢:長時間座ることの影響
ここだけの話、ピアノの練習では長時間座っているから脚が浮腫む。
右足だけ常にペダルの上に足を乗せておくこともあるし、とても脚がダルくなる。
ちょくちょく脚や股関節を動かしても追いつかないくらいダルいことがある。
そんなタイミングで特段音数の多い譜読みしなければならない時、私は椅子の上に胡座をかいて音を見ることがある。
脚を組んで譜読みすることもある。
“ピアノを弾く時よ姿勢”について意識からなくなる時がある。
ここだけの話である。
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