ねこふんじゃったから生まれた考察
ピアノを習ったことがある人も、一度も習ったことがない人も何故か弾ける謎の曲“ねこふんじゃった”。
つい先日、最近この教室に通い始めてくれた小学一年生の生徒さんがレッスン後に”ねこふんじゃった”を披露してくれた。
お友達が弾いていたのを覚えたのだとか。
彼女は体験レッスンの時もそれを弾いてくれたのだが、先日改めて披露してくれた時は明らかに前回より弾けるようになっていた。
あの後またお友達に教えてもらったのかな?
ねこふんじゃったを真面目にレクチャー?
レッスン直後だったこともあり私はまだ完全に“先生モード”だった。
彼女のねこふんじゃったを聞いて、「◯ちゃんはこのリズムをこうやって弾いてるけど、それは意図的にしてる? それともアクシデントか?」
「ここはこの指使いの方が良いよ。何故なら〜」
「ここの弾き方はこの方が適してるよ。どうしてかというとね…」
と、まぁレッスンのようにしてしまったのだった。
私は彼女が帰った後にこっそり反省した。
あのアドバイスは本当に必要だったろうか。
彼女は学校でみっちり授業を受けてから夕方ピアノのレッスンにきて、そして30分間しっかり集中して私のレッスンを受けた。
あの”ねこふんじゃった”はその後のリラックスした一コマだった。
彼女はただ、学校でお友達に教えてもらって覚えた曲を私に披露したかっただけだった。
「すごいね!もう両手で有名な曲が弾けてるね!」と言えば済む話しだった。
あれは余計だったなぁ。。。
ピアノの先生として
と、またここで思い直す。
いやいや、私はピアノの先生だ。
ピアノに関することなら、何だって協力したい。
せっかく ねこふんじゃった に興味をもって弾けるようになったなら、そして私に関わってくれているなら、 ねこふんじゃった だってただ弾けるだけより“いい感じ”に弾けた方が楽しい。
気分よく弾ける方が嬉しい。
せっかくの学びのチャンスなのだ。
生かさないでどうする。
大事なのは、他の誰かと比べて上手になるということではい。
自分がその曲をどう弾きたいと感じているのかをキャッチできるかどうかだ。
そして実際に理想通りに弾ける喜びを味わうことができたら最高なのだ。
たかが“ねこふんじゃった”ではない。
どんな曲だって、音楽は自分を表現するチャンスなのだ。
どんな曲とも向き合う
これは私にも言えることだ。
私の場合、伴奏者としてピアノ演奏を依頼されることが多い。
私には理解するのが難しい曲や、賛同できない曲を弾かなければならない時もたまにはある。
そんな時も、その曲の中にある何かを見出そうとする。
例えどんな素晴らしい曲であっても、弾き手が魅了されていなければその曲の魅力は半減してしまう。
逆を言えば、弾き手が“あぁ、なんて素晴らしい”と感じていれば必ず聴取には伝わる。
だから、それがラフマニノフのピアノソナタでもフォーレの舟唄でも ねこふんじゃった でも、何かを感じ取る力を磨いていたい。
できるなら、生徒たちのこともそうやって導きたい。
とはいえ、レッスン後の追加レッスンみたいなやりとりは流石にやり過ぎだったと思う。
生徒たちには、疑問や質問がある時は何でも聞いて欲しい。
一つ質問すると一々面倒なことになるから黙っておこうとは思って欲しくない。
問題や疑問はできるだけ解決してあげたいけど、ゆる〜くリラックスする時間だって大切にしたい。
ねこふんじゃったは難しい?
ところで、最初に述べたように、 ねこふんじゃったはピアノのレッスンに通ったことがない人でも弾ける。
黒鍵をたくさん使って楽しいし、工夫すればまだ手の小さい子どもも弾くことができる。
しかしそれを楽譜にするとフラットが6つ付いていて少し難しい印象を受ける。
それなのに、耳と手の動きを覚えた子ども達は皆、この変ト長調の曲を難なく弾いてしまう。
私が運営している【やえピアノ教室】では、常に楽譜を読めるようになることを重要視している。
しかし、耳を集中させることや身体の動きをコピーすることも、ピアノ演奏の大切な役割を担っていることも事実だ。
楽譜は”作曲家からのラブレター”だと私は時々生徒達に言う。
だから、大切に扱って読んでごらん、と。
その考えは変わらないが、様々な角度からのアプローチを取り入れてみるのも良いのかもしれない。
先生として音楽家として、改めて考察するきっかけとなった出来事だった。
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